ネットワークフロー制御機能を有する遠隔可視化技術



今日、科学技術計算で取り扱われるデータはますます大容量になりつつあり、大規模な計算機資源を利用して解析・シミュレートされたデータもまた大容量化する傾向にある。そのため、そのような大容量データを直感的に分かりやすい形で利用者に提示できる可視化の重要性が高まっている。しかし、ネットワーク性能の向上にも関わらず、テラバイト級のデータを研究拠点間で移動させることは非常に困難である。そのような背景から、本研究では、データを移動して可視化するのではなく、必要なデータのみを可視化してネットワーク配信することによる遠隔可視化技術に着眼し、遠隔可視化で発生するネットワークフローをネットワーク内で制御する手法・技術について研究開発を行っている。具体的には、ネットワーク障害を検知・回避し、可視化技術を継続する手法、ユーザ操作によって変動するネットワークパラメータ変化と連動してネットワークフローを制御することによる可視化技術の品質向上などを目的としている。
 
本研究は、情報通信研究機構の研究者ら共同で行っており、独立行政法人NICT 委託付共同研究「大規模分散コンピューティングのための高機能ネットワークプラットフォーム技術の研究開発」の支援を受けています。
 
本研究開発は、毎年11月に米国で開催される国際会議・展示会SC等の機会を利用して、JGN-Xなどの実際の広域ネットワークを用いた実証実験を積極的に行っており、より実用的かつ実践的な成果送出を目指しています。
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研究成果(論文)

  • Yoshiyuki Kido, Kohei Ichikawa, Yasuhiro Watashiba, Hirotake Abe, Hiroaki Yamanaka, Eiji Kawai, Haruo Takemura, Shinji Shimojo, “SAGE-based Tiled Display Wall Enhanced with Dynamic Routing Funcitonality Triggered by User Interaction”, INDIS2014, Nov. 2014.
  • Tomoya Furuichi, Susumu Date, Hiroaki Yamanaka, Kohei Ichikawa, Hirotake Abe, Haruo Takemura, and Eiji Kawai, “A prototype of network failure avoidance functionality for SAGE using OpenFlow”, Proceedings of 2012 IEEE 36th International Conference on Computer Software and Applications Workshops (The Sixth Middleware Architecture in the Internet (MidArch 2012)), pp.88-93, Jul. 2012.

関連学位論文

  • 古都知哉, “タイルドディスプレイ用ミドルウェアSAGEを対象としたネットワーク障害回避機能の実装”, 大阪大学基礎工学部卒業研究報告, 2012年2月.



関連プロジェクト : タイルドディスプレイなどの大規模可視化技術
関連分野 : 大規模可視化技術