広域分散計算技術を応用した脳機能解析システムに関する研究



 

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高次脳機能の解明はわれわれ人類にとって非常に重要な研究課題である。高次脳機能の解明には、EEG、ECoG、fMRIといった医療機器より取得できる脳機能データの解析が重要な役割を担う。本研究では、地磁気よりも小さな磁場の変化を検出可能な高度先進医療機器MEGより取得されるデータを高効率に解析することを目的として、グリッド技術を応用した脳機能解析システムの研究開発を推進しました。具体的には、複数のMEGセンサより取得されるデータに対してウェーブレット解析を行い時間軸にそった周波数特性を抽出し、それら解析結果の組み合わせすべてに対して相互相関解析を行うウェーブレット相互相関解析を、インターネット上の高性能計算機で分散することで、計算処理の高速化を行いました。また、同時にそれら解析結果を直感的に理解できるよう可視化ソフトウェアの開発にも取り組みました。
 
本研究開発は、大阪大学サイバーメディアセンターで推進された、文部科学省科学技術振興費主要5分野の研究開発委託事業におけるITプログラム「スーパーコンピュータネットワークの構築」のサポートを受けました。

 

研究成果(論文):以下のような成果につながりました。

  • Rajkumar Buyya, Susumu Date, Yuko Mizuno-Matsumoto, Srikumar Venugopal, and David Abramson, Neuroscience Instrumentation and Distributed Analysis of Brain Activity Data: A Case for eScience on Global Grids, Journal of Concurrency and Computation: Practice and Experience (CCPE), Wiley Press, New York, USA, Vol. 17, No. 15, pp. 1783-1798, Dec. 2005.
  • Yuko Mizuno-Matsumoto, Satoshi Ukai, Ryohei Ishii, Susumu Date, Takeshi Kaishima, Kazuhiro Shinosaki, Shinji Shimojo, Masatoshi Takeda, Shin’ichi Tamura, Tsuyoshi Inouye, “Wavelet-crosscorrelation analysis: non-stationary analysis of neurophysiological signals”, Brain Topography, Vol. 17, No. 4, pp.237-252, Jun. 2005.
  • 伊達 進, 水野(松本) 由子, 田村 進一, 佐藤 嘉伸, A ゾルフィ レザ, 田淵 裕士, 下條真司, 門林 雄基, 辰巳 治之, 野川 裕記, 篠崎 和弘, 武田 雅俊, 井上 健, 宮原 秀夫, “脳磁計(MEG)用広域分散コンピューティング環境”, 日本医用工学会誌, Vol.18, No.1, pp.47-59, 2000年1月.

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